こんにちは。
アクティブウーマン代表の桜井です。
今日は「選択肢」についての話をしようと思います。
４月に瀬戸内の離島に２週間いたのですが、
そこにはスーパーマーケットやコンビニ、ATMがないんです。
あるのは、街の中に数軒の「ｘｘ商店」みたいな
小さな店だけ。
雑貨もお菓子もお肉も牛乳も、全部ここで買う。
すごく小さな店だから、選択肢が少ない。
牛乳、といえば、１種類しかなくて、
卵も１種類。なにもかもが１種類。
北海道やら信州やら産地を選ぶことはない。
牛乳ください、といえば、出てくるのはただ一つ。
「はい、牛乳」これだけ。
最初は「すごいド田舎、、、」と戸惑いましたが、
よく考えたら、結局買うものは１つなので、
だったら最初から１つであれば選ぶ手間もないか、
と思えてきました。
そして私はもともと巨大スーパーが苦手なので
（目的のものを探すのが面倒）
東京にいても、選択肢が少ない
小さなスーパーに行く傾向があります。
そんな感じで、究極にそぎ落とされた
世界で暮らすことに慣れてきて、
夕飯のメニューも、
「火曜日は本土からの入荷日だから、
新鮮なモヤシを買おう」
「来週はラーメンが入荷されるらしい」
みたいに、
あるものに合わせて生活することが
出来るようになってきました。
そして、週１で入荷される食品、
ホウレンソウとかトマトを心待ちにして、
手に入ると超トキメくという生活でした。
東京ではそんなものは２４時間、手に入るのに。
で、東京に戻ってきて、一歩出ればなんでもあるし、
スーパーも商店も、よりどりみどりで
牛乳も卵も、なん十種類もあって、
なんて便利なんだ東京！と思いました。
が、
最近、じわじわ気がついたのですが、
選択肢が多いと、逆に何も思いつかないんです。
豊島にいたころは、毎晩「今日はこれ作ろう」と、
晩御飯がすぐに思い付きました。
ですが、なんでもあって、膨大な選択肢の中にいると、
頭まっしろ。本当に思いつかないんです。
これってひょっとして、選択肢が多すぎて
選びきれないのでは、と思い始めました。
昔、「ブリジットジョーンズの日記」という映画を見た時に、
主人公のブリジットが、なかなか結婚できない
アラサー女子みたいなのを演じていたのですが、
彼女のお母さんが
「あなたたちの世代は、選択肢が多くて大変ね」
みたいなことを言っていたのが、とても印象に残りました。
仕事も恋も、結婚するかしないかも、ぜんぶ自分で選べる。
それをお母さんは、“大変ね” と言いました。
選択肢の多さは自由の象徴ですから
もちろん良いはずなのですが、
問題は、「それを使いこなす能力」だと思います。
なんでも好きなものを選んで
好きな仕事して、好きな国で暮らしてください。
と、言われたときに、それを選ぶことができないから
人は迷うわけだし、
私はどうしたらいいのか誰か教えて、となって、
占いとかするわけで、
「あなたはこれはしていい」「これはしたらダメ」
と、誰かに言われると、その通りにしちゃう。
自由なはずなのに、結局、誰かに人生をゆだねる。
自分の好きなものが分かっていないと
選択肢は苦痛なわけです。
夕飯のおかずから派生して、
こんなことを考えていました（笑
私たちの周りは選択肢だらけ。
たくさんあればあるほど幸せってわけでもないんだな、
ということに、選択肢がない世界にいることで気が付きました。
そういう意味では、オーストラリアに行くと
急に選択肢が減ります。
英語が分からないから、
出来ることが一気に少なくなるからです。
テレビも分からない。何が書いてあるかもわからない。
読めない、書けない、話せない。
情報が遮断されます。
情報の洪水だった日本から来ると、
オーストラリアでの生活は、
私が最初、離島に来た時のように
「不便だな」と感じます。
ですが、慣れてくると、何もないから
あるものに目がいくようになる。
なくて不便だったものが、
「そもそも要らなかったな」
と思えるようになる。
少ない選択肢の生活のほうが、
あるものを大切にするし、
なくても幸せを感じるようになる。
情報から遮断されて、少しホッとするかもしれません。
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